横尾忠則展「ワード・イン・アート」@横尾忠則現代美術館

 諸事情で初日にはお伺いできなかったのですが、横尾忠則展「ワード・イン・アート」@横尾忠則現代美術館、見てきました。横尾さんの絵というのは凄まじい情報量で、見るのにかなりのエネルギーが要ります。そうした情報量の多さの理由は、本展タイトルにもある通り「ワード・イン・アート」、つまり言葉が素材として使われていることによると思います。


 横尾さんの絵のなかに出てくる文字は、下手をすると内容をものも見事に裏切っている場合もありますが、ある場合にはそのまんまの意味の言葉、言わずもがなの言葉が書き付けられていたり、微妙にすれ違っていたりします。そのへんの意味のすれ違いのようなものを考えていくと、頭がパンクしそうなくらい混沌としてきます。もちろん、そうした混沌とした混じりあいが快感だったりするわけですが。


 これまでの横尾作品のなかで文字が使われているもののほか、昨年の公開制作で新たに制作された新作や、数十年間未完成のままで今回の展示のために新たに筆を入れたものなど、新作も多数展示されているのが本展の目玉。会場には若い人の姿がいっぱいで、横尾人気の凄さを改めて思い知らされます。エネルギー不足の方、是非どうぞ。

開館記念展II 横尾忠則
「ワード・イン・アート〜字は絵のごとく 絵は字のごとく」
2013年3月2日(土)〜6月30日(日)
横尾忠則現代美術館
http://www.ytmoca.jp/exhibitions/2012/12/ii.html