イベント終了
というわけで、イベント終わりました。それ以来、ほぼ寝たきり。とうぶんうちに引きこもるでしょうね。THも最新号の書影がアマゾンに並び出しましたんで、よかったら買ってくださいね。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883750914/
私とアトリエサードの鈴木さんがやるわけですから、当然のごとく客席はサブカル系の数寄者が多く、東學さん、セレノグラフィカのお二人、雑誌「BURST」のライターをしていた皆川圭市さんなんかもお見えになったりして百花繚乱でした。友人知人、まったく初対面の方も含め、観客はキャパオーバーの40名近く。嬉しい限りです。ありがとうございました。
やはり予想通りといいますか、一般のサブカル〜ゴス好きには、まだまだ「奇想」といってもピンと来てない人も多く、日本にもいろいろゴスなものがたくさんあるんですよ、みたいな話から始まったんですが……。たぶん客席が一番面白そうに見てたのは曾我蕭白だったような気がするな。でも、いま公開中の河鍋暁斎は、さすがに結構たくさんの方が見に行ってくれてたみたいで、それは嬉しかったですね。蝋燭の明かりで奇想の画家たちを(図録であるとはいえ)見るというのは、やはりいいものでした。
しかし私は思うんですが、ここ10年ほどで奇想美の方が日本美の本流みたいになってしまって、いまや円山応挙なんか悪役扱いですし、雪舟やら長谷川等伯やらは完全に霞んでしまいましたよね。日本美=禅みたいな発想は、一体どこへ消えてしまったのか。ド派手なものこそ日本美である、みたいな図式ができちゃうと、それはそれで困ったもんだよなぁ、とか思いますよね。山口晃さんの絵なんか見ると、日光東照宮的な唐破風がじゃんじゃか出てくるし、井上章一さんの帝冠様式研究とか見ても、キッチュな日本像が流行の中心ですよね。シンプルな美しさは、どうもいまひとつ分が悪い。
だから、というわけではないんですが、THにおける私の連載の次号分では、次は伊勢神宮を取り扱おうと思っています。ご存じの通り、ブルーノ・タウトによって「伊勢=ほんもの=天皇的」とされ「日光=いかもの=将軍的」と対置された建築です。下手すると非常に政治的な課題になるわけですが、まぁ例によって好き放題を書こうと思っています。
しかしTHは本当に凄いなと思いますよ。だって私の連載の前回分なんか、いきなり古墳の話から始まってるんだもんね。サブカル誌なのに(笑)。こういう原稿を送って平気で載っけてくれる雑誌って、ふつうまず考えられない。好き放題やりたい仕事ができて本当に幸せだなぁと思います。