片桐功敦さん取材
華道家の片桐功敦 (かたぎり あつのぶ)さんに取材してきました。といっても、自分からイニシアティブを取ってセッティングした取材ではなくて、たまたまそういう注文があって、私はライターとしてお伺いしたのですが……これが猛烈に面白かった!
http://www.geocities.jp/mondebooks/
彼の本棚を見せてもらったんですが、この本棚がとにかく面白くて、すごく私の本棚とかぶってるんですよね。いわゆるニューアカデミズム系の本がジャカジャカあって、鈴木理策さんの写真集がポンとあって、アーヴィング・ペンの撮ったダホメ王国の写真集なんていうマニアックな代物があって。「やるなぁ」って感じですよね、このラインナップだけで。
私は花のことはなんにもわかりませんが、津田直さんという写真家の方とやってるプロジェクトが非常に面白くて、非常に緊張感の強い、厳しい形を作ってるな、と思いました。具体的に言うと、白い紙を写真に撮って、白い表具で表装して、白い花を活けてある。非常に厳しいミニマリズムですね。私はいわゆるアメリカのミニマリズムは大嫌いですが、これは凄かった。語るべきものを見たなぁ、という感じがしました。現代の前衛華道、って感じがしますね。
私は前衛華道って勅使河原蒼風さんくらいしか知らなかったのですが、そのライバルにあたる中川幸夫さんに私淑しておられるとのこと。で、中川幸夫さんについて軽くレクチャーしていただいたんですが、暗黒舞踏の大野一雄さんの、あの空中散華のパフォーマンスをされた方なんですね。写真集を見せていただいたんですが、内臓感覚というか、ほとんど臓物を投げつけたかのような激しい花で、ちょっと工藤哲巳さんとか、読売アンデパンダン世代の方々とか、あのあたりの戦後現代美術と同じ匂いのする方だな、と思いました。
http://www.kyuryudo.co.jp/design/sagawa048/yukio_nakagawa.htm
ちなみに、実はこの方も東學さんつながりで、さすが売れてる人は目の付け所が違うというか、ピックアップ能力が凄いですね。6月29日の東さんのイベントでもお花を活けるそうなので、その際にはご挨拶に伺おうと思っています。私が今回頂いてる仕事は一般向けのwebサイトなので、なかなかそこまで書くことはできないと思うのですが、匂いだけでもお伝えできるものにしたいですね。
http://www.188.jp/629/08/index.php