中山市朗vs「おそいひと」組

昨日はちょっとした飲み会をセッティングして、夜遅くまで飲んでいました。お招きしたのは「新耳袋」の中山市朗さん、そして映画「おそいひと」の制作を担当された田中誠一さん、柴田剛監督という顔ぶれです。


実は中山さんはホラー作家になる以前は、映画の助監督を仕事にしていた、無類の映画好きです。中山さんは完全エンタメ志向、「おそいひと」組はアート志向で、ちょっと無茶な顔合わせかな、と思いながらも、同じ映画好きで関西に根を張ってやっているのだし、何らかの顔つなぎはしておこうと思い、こういう会合になりました。


席上私がお話ししたのは、メジャーかマイナーか、アートか娯楽かという日本映画の二極構造は、ちょっと不健全なのではないか、ということでした。70年代までのアメリカ映画には、低予算で深みのある娯楽作がありました。順不同ですが、ダーティーハリー、エクソシスト、ロッキー、アメリカン・グラフィティー、激突、それからアメリカン・ニューシネマ。激突なんか日本の自主映画でも十分撮れるんじゃないでしょうか。


ゲリラ戦で低予算だけどたっぷり楽しめて深みがある。そんな新しいタイプの日本映画を、できたら「関西発」というかたちで見てみたい、というのが私の思いです。メジャーにも顔が利いてベストセラー作家でエンタメ志向の中山さんと、関西唯一の映画制作プロにルートを持ち、アート志向の「おそいひと」組。これが全くの初顔合わせですから、今後ここから何が生まれるのか、長い目で見ながら考えたいと思っています。