京都造形芸術大

昨日、京都造形芸術大のASP学科が催してくださった酒席にお邪魔してまいりました。学科の先生方が一堂に集まっての催しで、私も来週から6週間、ここで「芸術表現論III」という授業を担当することになるので、そこに加えて頂いたわけです。

驚いたのは、文芸評論家の千野帽子さんが、同じ席にいらっしゃったことでした。千野さんは「世界小娘文學全集」「文學少女の友」「文藝ガーリッシュ」などで知られる、独自な立ち位置の文芸評論家で、聞けばこの4月から、千野さんもここで授業をご担当になるのだとか。この学科はキュレーター志望コースと物書き志望コースにわかれていて(全然傾向が違うな)、千野さんは物書きコースで教えられるそうなのですね。千野さんはゴシック作家の高原英理さんからご紹介して頂いたご縁で、しかも私の母校に勤めておいでだという共通項もあり、何かとご縁の多い方です。ここでまたこうしてご一緒できて、やはりこれは嬉しかったですね。

もうお一方、昨日はブブ・ド・ラ・マドレーヌさんと初めてお会いできたのが、とても嬉しいことでした。ブブさんはもともとダムタイプにいらした方ですが、ここ数年はセックスワーカーやアンチAIDSのアクティビストとして活動を続けて来られた方で、かねがね一度お目にかかりたいと思っていた方でした。ブブさんは私と同じ「芸術表現論III」をご担当することになっていて、私の次の6週間で、学生とともに議論しながら身体論を説いていかれるのだそうです。帰りもブブさんと一緒だったのですが、道々、ダムタイプ時代の裏話なども聞かせて頂き、大笑いするやら納得するやら、実に楽しい時間を過ごしました。できたら私も一週くらいは、ブブさんの講義にお邪魔したいと思っています。

私がこうした晴れがましい場所にお邪魔できたのは、ひとえに山下里加さんのおかげです。山下さんは非常に多様な活動をしておられる方で、ライターでありキュレーターでありアウトサイダーアートのギャラリストであり、アートによる地域創造のリサーチャーでもあります。彼女のこうした実に幅広いアンテナによって、私もピックアップされたというわけですね。山下さんには本当に感謝しています。ありがとうございます。

で、肝心の私の講義の内容ですが、私は6週間でサブカルチャーについて講義をすることになっています。とはいえ、サブカルチャーというのは実に目眩がしそうなほど幅広い対象であって、漫画、アニメ、ロック、ファッション、イラスト、ライトノベル、さらには現代美術や現代文学の一部にも、サブカルチャーの影響が濃厚に見られます。で、私のもともとのホームの領域であるゴシックを軸にしながら、サブカルチャーとハイアートの関わりを考えていこうと思っています。

美大で教えるのは初めてのことなので、なにがどうなるやらまったくわかりませんが、ともあれ、一生懸命やってみたいと思っています。また、ここで学んだ情報やスキル、人脈などは、いまお世話になっている大阪コミュニケーションアート専門学校にも持ち帰って、何らかの形で活かしていきたいと思っていますので、OCAのみなさんも温かく見守ってくださると嬉しいです。さて、一体どんな授業になりますやら……。