あいちトリエンナーレ_塩田千春@名古屋市美術館

本日より開幕、あいちトリエンナーレに行ってきました。ただし、行けたのはお目当ての塩田千春さんが出品している、名古屋市美術館での展示のみ。大須観音から徒歩5分ほどの公園の中にあります。

入り口にぶら下がっているのはエクトール・サモラ《大胆なレジャー》↓。メキシコ生まれの作家で、こういう屋外設置のインスタレーションが得意な方のようです。にぎやかな感じですね。

会場に入ってすぐのところに展示されているのは、オー・インファンの《人と人が出会う場所(名古屋)》↓。韓国の作家で、この緑の文字はお線香で作られています。アルファベットとひらがな、カタカナが混在する、文字によるドローイング。オープニングと同時に着火して、いままさに燃えているところ。良い香りが漂っていました。

さて、これが塩田さんの作品。タイトルは《不在との対話》↓。資生堂ギャラリーで、一部映像のみが公開された作品ですが、今回は見ての通りの巨大なインスタレーション展示。とはいえ、これ一枚だと何が何やらわからないかもしれませんね。

赤いチューブが白い布の上を縦横に走り回っています。布の上の要所要所に立っているのは、モーター付きの電動ポンプ。このポンプで透明なチューブの中を、赤い液体が蠕動していきます。

布は実は巨大なワンピースになっていて、天窓から吊り下げられています。以前、横浜トリエンナーレなどで展示された、巨大な服の作品がありましたが、あれの夏服バージョン、といったところでしょうか。その白い夏のワンピースに、血液を思わせる赤いチューブが絡み付き、どくん、どくんと脈打っています。

モーター部分は小さな台に取り付けられているのですが、こうしてみると十字架の墓標が無数に並んでいるように見えます。かなり不穏で不気味な光景です。

あいちトリエンナーレは本日から10月31日まで。会場は市の美術館のほか、愛知芸術文化センター長者町一帯、納屋橋の商業施設などを会場にして開かれています。この催しはこれまで日本で開催された国際美術展に比べ、パフォーマンスや演劇が充実しているのが大きな特徴。舞台の方の顔ぶれは、平田オリザさん、チェルフィッチュヤン・ファーブル、二ブロール、ローザス山川冬樹さん、コンタクト・ゴンゾなどなど、強力な布陣になっています。お近くの方は、是非。

http://aichitriennale.jp/