「閨秀2.0」高田智美さんのこと

 というわけで本日も「閨秀2.0」についてですが、本日ご紹介するのは高田智美さんです。高田さんはいわゆる旧「赤線地帯」をテーマに制作を続けている作家です。高田さんの作品は、遊郭、赤線の建物を撮影し、OHPフィルムに出力した布の写真を重ね、さらにそこに糸で刺繍を施して制作されます。こうした加工を経ているため、実物には異様な生々しさがあって圧倒されます。


 赤線というのはかつて公娼が営業していた地域の俗称で、遊郭の流れを汲むものもあります。赤線は制度としては1950年代に売春合防止法によって消滅しますが、今日もいくつかの場所では密かに営業が続けられています。高田さんはこうした遊郭を訪ね歩き、写真に撮り、作品化を行っています。こうした場所の中には現在では営業を終えているものの、その歴史的な意義の観点から保存が行われている場所もあり、高田さんはそうした地域の自治体とも協力してプロジェクトを進めています。

ウィキペディア「赤線」
http://bit.ly/nw3tta

 正直、こうした場所を題材にして作品を作ることが倫理的に許されることなのかどうか、自分にはよくわかりません。消滅するに任せた方が良いという「寝た子を起こすな」論にも有効な反論ができません。けれども高田さんの作品を見た瞬間、もうやるしかないと思いました。彼女は大学院を修了して間もない新人ですが、卒展で見て「とにかくこの人は世に出さねば」という切迫した気持ちを抱き、展覧会の話が出る前からコンタクトを取っていました。そこに渡りに船でこの話がやってきた。奇縁というほかありません。

「閨秀2.0」
http://bit.ly/nbILxo