グローバル化と「もの」

 さっきツイッターを覗いていたら、香港に行く美術作家、北京に行く美術作家、ジャカルタに行く小説家、オランダでボスニアの作家と話している美術作家が、立て続けにTL上に並んでいた。そういえば自分も先週、ドイツの商社さんとスカイプでミーティングしたのだった。本当にグローバルな時代になったものだ。なんで美術評論家の私がドイツの商社さんとミーティングしてるのかというと、これはまだ内緒なのだけれど、ちょっとしたプロジェクトがいま進行していて、それ絡みの仕事なのです。勘の良い人は気づくかもしんないけど、いちおう現在のところはヒミツ。オープンになるのは来年かな。


 最近は美術文脈の仕事が中心だったのだけれど、これは久々にサブカル文脈での仕事で、出来上がりが今から楽しみ。いちおうものづくりに関わる仕事ですが、実際やってみて痛感するのは、国境を越えたものづくりってほんと大変で、こうしたことを日々当たり前にこなしてる日本のメーカーって、ホント凄いなということでした。日本のメーカーはいまどんどん生産拠点を海外に移してるし、売り先も海外にあるけど、海外とのコミュニケーションは本当に大変(たとえそれが日本語であっても)。潤沢な予算のある会社ならスカイプじゃなくて高精細のテレビ電話が使えるだろうけど、それでもたぶん大変だろうと思う。


 それというのも、ものづくりでは結局「もの」を扱う以上、どんな「もの」なのか把握することが、必要不可欠な仕事になってくる。ところがモノの質感や量感は、モニタの画像じゃ把握しにくい。こうした「もの」についての打ち合わせを、画像越し、モニタ越しにやるのは本当に大変な仕事なのだ。でもまあ大変なだけに仕上がりを見るのも楽しみなわけで、とにかく来年が今から待ち遠しい。海外向けの仕事は久々で、何年か前に某アーティストのDVDのライナーを書いて以来かな。どんな反応があるのか、ちょっとワクワク。ともあれ正式アナウンスまでお楽しみに。