再稼働の日にギャラリー巡り

 なんというか、再稼働で日本中が揺れる大変なときに、のんきにアート関係の話題をツイートするって気が引けるのだけれども……。ここで自粛しちゃうと去年の「不謹慎!」という威圧的な叫びと同型の理屈で行動することになるので、あえてやっぱりアートの話をいくつかツイートします。


 本日最初の訪問先は、西宮市大谷記念美術館「対話する美術/前衛の関西」。関西発の世界的美術ムーブメント「具体」の作品に、丸ごと一部屋が割かれています。今年は具体に注目が集まっているからでしょうね。具体は50年代から始まった運動ですが、この展覧会は50年代の具体からゼロ年代パラモデルまで、関西の前衛の歩みを収蔵品で辿るもの。お薦めは80年代の関西ニューウェーブを代表する作家、石原友明さんの作品。これは本当に強烈な作品なので、是非。

西宮市大谷記念美術館「対話する美術/前衛の関西」
http://bit.ly/LXW1ee


 2件目は「倉貫徹 × 中西學」LADS Gallery。中西さんもまた、80年代の関西ニューウェーブを代表する作家の一人。当時は何がなんだかよくわからない、とにかく豪快な彫刻を作っておいででしたが、今回はガラスにマーブリングを転写するという技法。ちなみに中西さんは私の勤務する上田安子服飾でも教えておられます。ちなみに中西さんの原点になったのは、国立国際で見たロバート・ラウシェンバーグの《至点》だったとのこと。なんだこれは、ロックじゃないか! と思ったとか。


http://bit.ly/LqSqG8


 いっぽう倉貫さんはあの具体ピナコテカでの出品経験もある大ベテラン。今回はガラスのなかに本物の宝石を封じ込めるという技法で、お二方とも透明なレイヤー状の小宇宙のような作品を展開。お二方の共同製作による作品も多数含む意欲的な展示になっています。5日まで。

LADS Gallery「倉貫徹 × 中西學」
http://bit.ly/MjILFm


 で、その次は「日本現代美術の巨匠たち ー1960年代 〜 70年代を中心に」、de sign de。内容はタイトル通り。かなり豪華。こちらも具体関連の作家多し。印象に残ったのは李禹煥の木版、というか版木。ノミで板の表面をざくざく彫ったもの、非常に繊細な印象。西宮大谷で展示中の鄭相和さんもそうだけど韓国人って素材への繊細なセンスがすごい。

de sign de「日本現代美術の巨匠たち ー1960年代 〜 70年代を中心に」
http://bit.ly/Lq4Hur


 4件目はyoshimi arts「柿沼瑞輝展」。これはかなりわけがわからない。まったくの新人でポートフォリオほぼ真っ白、で純粋抽象。しかも厚塗り、マチエール感ばっちり。なぜいまこんなのが出てくるんだと驚き。一体何を根拠にこういうものをいまこの時点で作るのか興味があったのだけれど、作家当人に聞いてもよくわからないらしい。けれども壁面が見事に埋まっているところを見ると、言葉にならないけれど自分の作品に確信はあるらしい。今後どういう展開をするか楽しみ。

Yoshimi Arts「柿沼瑞輝展」
http://bit.ly/LcEgNq


 最後は「5周年記念亜蛮人パンダン展」亜蛮人。ここはゴス系の若い人たちがよく出している貸し画廊。月夜乃散歩という方が出しておられるんですけど、この方は私かなり好きです。完成度高い。もう少し注目されていいと思う。

亜蛮人「5周年記念亜蛮人パンダン展」
http://bit.ly/qYdiEP


 全体に具体がらみの企画が多いなか、やっぱり関西ニューウェーブ絡みが気になるのは自分のルーツだからですかね。具体、もの派の評価はほぼ定まったようですし、次はぼちぼち80年代を考える時期じゃないのかなあと、なんとなく思うんですが。今日はそんな感じでした。


 ともあれ、今日は休みます。あした以降も再稼働には淡々と反対しますし、アートに関わることもつぶやきます。迂遠かもしれませんが、各人が自分の自由な表現を守ることが、暴力的なものへの最大の抵抗なのだと信じています。おやすみなさい。