魚の骨で作るアート、田辺由美子さん

 昨日ご紹介したアートコートギャラリーのグループ展「Art Court Frontier 2012」からもう一人、田辺由美子さんをご紹介します。見たまんまですが、魚の骨で作品を作る方です。



 《afterlife on a table》。サイズ可変のインスタレーション作品になっていて、会場にはバラバラの魚の骨を持ち込み、それを組み合わせて設営時に作っていきます。食卓の上に組み上げられるというのも面白いですし、中央のオブジェはいわゆる葬式花、つまりは曼珠沙華のようにも見えて、非常に象徴的です。「afterlife」という言葉が何となく仏教的な印象を受けるのですが、さてどうなのでしょうか。





 田辺さんは榎忠さんのアシスタントを長く務められた方。榎さんには金属製のドリルのような部品を組み上げたインスタレーション作品がありますが、田辺さんは魚の骨でそれをやったわけですね。今後もこのシリーズはパーツを追加しながらより大きなものにしていきたい、とのこと。魚を皆で一緒に食べるパフォーマンスも行うそうなので、気になった方は田辺さんの動向をチェックしてみてください。



 こちらは《a・head》と題された作品。これもまた魚の骨ですが、頭の部分の骨だけを使っているそうです。非常に繊細でロココ的な美しさ。ちょっとダミアン・ハーストの作品を思わせますね。こちらはきちんと固定されているので、コレクションする際にも便利そうです。ちなみにサイズは各々直径40センチ、厚みが5センチ。お手許に置いてみてはいかがでしょうか。



 《Even the head of sardine can be a charm against evil if you believe in it. 〜鰯の頭も信心から》。私が最初に彼女の作品を見たのはこの作品の断片で、かれこれ7〜8年ほど前のこと。場所も展覧会などではなく大阪のとあるバーの片隅、ご本人が手に持ってこれを見せてくださいました。以来実にゆっくりとしたペースで制作を続け、こんな形で開花しようとは感無量です。推薦者は西宮大谷美術館の池上司学芸員パラモデルの個展をいち早く開いた目利きの方だけに、田辺さんの今後の展開が楽しみです。



 高田さんと同じくトークもあるのですが、田辺さんの登場は7月14日なのでお間違えなきよう。

田辺由美子「Art Court Frontier 2012」
アートコートギャラリー
2012年7月13日[金]〜8月11日[土] 日・月・祝休
トークショー:7月14日(土) 14:00-16:00
http://www.artcourtgallery.com/acg_news.html