西洋美術史は壮大な二次創作の連鎖であり、キャラ萌えの表現である

 おはようございます。昨日は大阪のマンガ系専門学校、OCAの最初の授業でしたが、今年は前期に一コマ増えて、グループ展を企画する授業を担当しています。この展覧会はちょっと面白くて、私の(例によって)珍妙な美術観がベースになっています。どういう美術観かというと「西洋美術史は壮大な二次創作、三次創作の連鎖であり、キャラクター表現である」というものです。どういうことかというと、西洋美術は呆れるくらい同じ画題を幾人もの画家が描いていて、横たわるヴィーナスの画題なんかほんと驚くほど似たような絵がごまんとあります。下記に貼り付けてあるので実際にご覧になってください。ほとんど一緒でしょ?


http://d.hatena.ne.jp/higuchi1967/20130121/1358747160


 要するにこれって「ヴィーナス萌え」なのであって、ほかにもマリア萌えとかイエス萌えとか、なんらかのキャラ萌えが原動力になった作品ばかりが西洋美術の中心を占めます。で、たいてい何らかのシチュエーションを切り取った、いわばカトゥーン(1コママンガ)として描かれている。私の勤務先のOCAという学校は、オタの子が中心を占めるマンガ系の学校で、ファンタジーも好きなためギリシャ神話などの愛好者も多く、絵はいわゆるオタ絵ばかり。そこで神話や聖書を題材に取れば、そこそこユニークな作品ができるんじゃないかと思ったわけです。


 そういうわけでこの授業では、各自に神話や聖書のリサーチをさせ、それぞれの好きなタッチで描かせるという構想で始まりました。一回目は手始めとして聖ジョージの竜退治を描かせてみたのですが、まあハマったハマった。全員ノリノリで描いています。最終的にはグループ展を8月にやる予定で、一体どういう水準のどんな作品ができるのかはまったく未知数ですが、思わず笑っちゃうような変な展覧会になるでしょう。詳細決まりましたらまたお知らせしますのでお楽しみに。自分も楽しみにしています。

大阪コミュニケーションアート専門学校(OCA)
http://www.oca.ac.jp/creative/