塩田千春《ありがとうの手紙》

 高知県美での「塩田千春展 ありがとうの手紙」のようす、ブログにもまとめておきます。まずは高知県立美術館のようすから。外装はしっくいで塗られてて、土蔵を思わせる和風のデザイン。落ち着きます。はりまや橋から電車で10分くらい。交通至便。



 高知県立美術館に行ったら、ついでに是非ご覧いただきたいのがこのロッカールーム。たぶん作品じゃなく誰かの悪戯だと思うのだけれど、奇妙な顔が観覧者を出迎えてくれます。



 下はテープカットの場面。塩田さんは糸でさまざまなものを縫い綴じていく作家で、タイトルのキャプションからいきなり作品が始まっている。 塩田さんは出生は大阪ですが、ご両親の実家は高知にあって、ご親戚の方もみんな高知にお住まい。このため心はいつも高知にあったのだと言います。もしかすると塩田さんの糸はいつも、故郷の高知と結びついていたのかもしれません。




 高知市民からの「ありがとうの手紙」が約2400通、黒い糸で縫い綴じられている作品。やはりというべきか、両親にあてたものが多い。良い思い出、未来への希望、悲しいメッセージ、無邪気な手紙、本当に悲喜交々。そんな手紙が七夕の飾りのように縫い綴じられている生命讃歌。