萌えきゅんルネサンス
ギリシャ以来の西洋古典美術は、その多くが聖書やギリシャ神話を主題とし、先行作品の模倣と変奏を伝統としてきました。つまり古典美術とは、聖書やギリシャ神話のキャラクターをもとにした、一種の壮大な二次創作の連鎖であると言えます。
現代日本のオタク文化が生んだ二次創作のキャラクター表現は、人気キャラクターを繰り返し模倣し、変奏して表現するという意味において、実は意外に西洋の古典美術に近い発想に立っています。そうであるなら、現代的なオタク文化で育った若者たちが、美術史がその主題としてきた聖書やギリシャ神話の物語に取り組んでみたらどうだろう。そんなところから本展の企画は始まりました。
私たち大阪コミュニケーションアート専門学校(OCA)は、アニメやマンガ、ライトノベルの創作教育を主軸とした学校ですが、こうした古典美術と二次創作の共通性に着目し「聖書やギリシャ神話を主題に、学生が自由な発想で描いたオタク系イラスト」の展覧会を開催することといたしました。
出品者は本校に在学し、主にアニメやマンガを学んできたイラストレーター志望の学生たちです。つまり本展は「美術がサブカルチャーを採り入れた表現を行う」という従来の構図を転倒させ、「美術を採り入れたサブカルチャー表現を行う」ことを目的としているのです。学生たちが自由な発想で捉えた神話の世界を、どうぞご覧になってください。
本展キュレーター、樋口ヒロユキ
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というわけで、萌えきゅんルネサンスの会場のようす。下は今回一番の力作じゃないかな。インスタレーション、しかも二人の合作というユニット形式。内容的にはエロスの生涯をたどるものになってます。詳細は会場で是非ご覧あれ。
いちおう全部ギリシャ神話を典拠にしています。で、なぜか今回はこういう半立体が多い。ジョゼフ・コーネルとか見せたから、その影響かな。
即興のパフォーマンス。スッキリポーズ。あほです。
飛び入り参加で特殊メイクの作品も。来年もしこの授業あったら身体表現もありにしようかな。コスプレとか特殊メイクとか。
全部ご紹介できないのが残念。基本はデジタルのイラストが多いんですが、マチエールは水彩ありミクストメディアありでいろいろ。題材に選んだ神話も人それぞれで、幼いながらも自分の内面とそれぞれ対話しながらモチーフを選んでるなーと感心。このへん、こっちが勉強になりました。
レセプションは終わりましたが、会期は28日までありますので是非ご高覧を。楽しくやってます。
展覧会タイトル:「萌えきゅん ♡ルネサンス」
会期:8月23日(金)〜8月28日(水)(会期中無休)
開館時刻:13時〜18時(最終日は17時に閉廊) 入場料:無料
レセプション:8月25日(日)14:30〜出品作家:大阪コミュニケーションアート専門学校コミックイラスト専攻3年生有志
秋鴉 うめこ 片山結稀 崎野如絵 酢谷英則 虎河豚 Naos 梨子こう なんか ひいらぎかおる 樋口彩香 福田瑞生 Brionac04 まめ みたむら みよハチ もにこ 八坂佑佳 山本維摩会場:オルタナティブスペース「PULP」大阪市西区南堀江1-14-14-103
http://www.yo.rim.or.jp/~hgcymnk/2013/moekyun/00moekyun.html