京都府美術工芸新鋭展:入澤あづさ、服部しほり、石田真也、田村葵

 京都文化博物館で、いま開催されている「京都府美術工芸新鋭展」(〜 2月9日)で、今号の『TH』で取り上げた作家が二人、京都府美術工芸新鋭展に選抜されて展示されています。選抜されたのは服部しほりさんと入澤あづささん。今回の『TH』は日本特集で、服部しほりさんは日本画、入澤あづささんは漆芸の人です。いずれも強い個性の持ち主で、ほかにも興味深い作家を取り上げていますので、是非誌面でご覧になってください。

『TH(トーキング・ヘッズ叢書)No.57 和風ルネサンス〜日本当世浮世絵巻』
2013年1月31日発売号
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4883751651
「思想としての伝統技法 -京都ゆかりの若手、中堅作家を中心に
入澤あづさ/野上千晶/酒井龍一/服部しほり/三瀬夏之介


  この展示は来年に京都で開催されるビエンナーレを見据えたもの。残念ながら会場は撮影不可でしたので、ほかの会場で撮影したお二方の作品を下記に。上が入澤さんの作品、京都市芸大の博士展(京芸akcua、〜 2月9日)で展示されたもの。入ってすぐのところに堂々と展示されていました。下が服部さんの作品、昨年の京芸の卒展で展示されたものです。




 この展覧会は基本的に有料なのですが、一回に観覧無料、撮影オッケーの状態で、ヤノベケンジさんの作品も展示されています。ゆっくりと立ち上がって目を開き、手を上げる動作を繰り返す作品。人だかりができていました。



 このほか新鋭展で面白いなと思ったのは、石田真也さんの《移動祭壇》。INAXギャラリー(東京)でも個展の経験がある方で、非常に完成度が高かったです。もともと廃棄物で作っておいでの方だったようですが、今回はゴミにこだわらず、盆提灯などさまざまな宗教的モチーフを組み合わせた「屋台」を作っておられました。

石田真也 −ワンダフルトラッシュ− 展
http://www1.lixil.co.jp/gallery/contemporary/detail/d_001920.html

 それと日本画の田村葵さんが良かったです。美しい肌理を持ったグラデーション、流れるような線の魅力が素晴らしい。妙香庵という庵の襖絵を手掛けられたほか、「祇をん小西」というお茶屋さんを改装したギャラリーで個展を開かれたり、染め帯を手掛けられたり、通常の現代美術とは違う空間で仕事をしておいでのようです。ご本人も非常に綺麗な方みたいですね。

田村葵
http://artscape.jp/report/review/10075773_1735.html
http://gionkonishi.lolipop.jp/blog/news/post-165.html


 このほか新鋭展では旧知の岡田彩希子さん(京大でラカン派の精神分析を学びながら作家をやってる変わり種)、私も作品を一点持ってる木口版画の二階武宏さんなども。ご縁のある作家が多く、見てて楽しかったです。来週までやってますのでもしよろしければ是非どうぞ。

京都府美術工芸新鋭展」
京都文化博物館、〜 2月9日
http://www.bunpaku.or.jp/exhi_shinei.html