『真夜中の博物館』面陳のお店が続々!

 連休のアオリでしょうか、amazonではなかなか入荷にならない拙著ですが、リアル書店では各地のお店で、続々と面陳にしてくださっているようです。しかし本屋さんというのはある意味で一種の異種格闘技、金網デスマッチの闘技場のようなもので、隣にとんでもない本が並ぶことがあります。「これと俺、闘うのかあ」と思うと呆然とします。



 今回一番のけぞったのがジュンク堂三宮駅前店。右はハル・フォスターの『第一ポップ時代』、ポップアートに関するバリバリの理論書。著者のハル・フォスターはかつて「反美学」を唱えたポストモダニスト。MITが出版する理論誌『オクトーバー』の常連寄稿者で、さすがにこれにはビビりました身が引き締まる思いになりました。



 ジュンク堂芦屋店では、なんとスプツニ子さんのお隣! スプツニ子さんといえばMITの美人准教授にして美術作家、そのお隣が自分の本とはね。なんかやたらとMIT絡みの人の隣に並んでしまうのはなんででしょうか? とはいえ中身は決して負けてはおりませんよ! 左の『日本文明試論』の大島雄太さんは、竹中工務店で長年にわたり設計を手掛けてこられた方で、現在は神戸在住なのだとか。地元の書き手を大事にしてくださる書店は嬉しいですね。



 ヴィレッジヴァンガード京都三条店、これは面白い組み合わせ。鈴木安一郎さん『きのこの本』と、『Pen』の草間彌生さん特集の間に挟まれての面陳です。そういえば草間さんの髪型もキノコっぽいし、土星の輪っかをかぶった少年というのもちょっとキノコっぽいですね。間に入ってる『おこまの大冒険』は、歌川国芳山東京山の二人の手になる「朧月猫の草紙」の現代語訳だそうで。ビレバンならではの陳列かと。



 ジュンク堂堂島店では、ご存じAquiraxこと宇野亜喜良さんと、球体関節人形の中川多理さんとに挟まれて面陳になりました。中川さんは今度トークでご一緒する、作家の高原英理さんの手掛けたアンソロジー『リテラリーゴシック・イン・ジャパン』の表紙を飾った方。拙著の個性をよくわかってくださった並べ方で、とても嬉しく思いました。

樋口ヒロユキ
『真夜中の博物館 美と幻想のヴンダーカンマー』
アトリエサード刊、予価2500円+税
http://www.kcc.zaq.ne.jp/dfyji500/shincho.html