高谷史郎さん新作パフォーマンスに鶴田真由さん出演!


 というわけで、高谷史郎さんの新作の試演会に行ってきました。この公演は今年5月にフランスで初演、日本への巡回公演はなんと来年の1月とのこと。本番直前のリハ公開は多いけど、ここまで早いのは初めて! タイトルも「新作パフォーマンス」としかついていなくて、現段階ではまったくの謎。試演なので未完成の状態での鑑賞となりました。



 高谷さんはご存じダムタイプのメンバーですが、今回の公演は薮内美佐子さんや平井優子さんといったダムタイプパフォーマーのほかに、なんと女優の鶴田真由さんがパフォーマーとして参加されています。ピンボケで恐縮ですが、ほんと全然お変わりないですね。鶴田真由さんはNHKの大河ドラマに何度も出演されている大女優ですが、そんな芸能界の女優さんがダムタイプの高谷さんと、というのはすごく意外でした。でも、鶴田さんって美術作家の中山ダイスケさんのパートナーなんですよね。だから、実はそれほど不思議ではないとも言える。



 生身の人間と映像が渾然一体となって進む舞台はダムタイプ以来の黄金パターン。現実の動きにわずかに遅れてエコーする映像が美しい。ずらりと食卓に並んだパフォーマーは最後の晩餐? それとも、何もないテーブルの上に林檎が並ぶところを見ると、楽園追放の物語? これだけノーヒントの状態で舞台を見るのも珍しいですが、かえって連想が膨らんで面白いものですね。



 カメラは舞台のあちこちについているみたいで、スイッチングで切り替わっていきます。試演だけに、合間あいまにカメラテストのようなこともやられていたのですが、iPhoneを使ってアングルを検討していたのが面白かったです。こんな誰でも持ってる民生品でプロのクリエーションが進んでいくってのは面白いですよね。



 試演なのでいろんな場面が断片的に出ては消えるのですが、一番印象的だったのが水上のダンスの場面。舞台上にわずか数センチほどの深さの水たまりが作ってあって、水面の上で踊っているように見えます。最小限の要素による神秘的光景の出現ですが、これもちょっと聖書に出てくるエピソード、イエス様が湖上を歩いたくだりを連想させますね。



 このほか非常に断片的なイメージではあるのですが、アイヌ語で歌を歌いながら、宇宙の映像をバックに電球に火を灯す場面(宇宙の創造?)が出てきたり、デタラメな言葉を叫びながらアルファベットを紙吹雪のように撒き散らす場面(バベルの塔?)が出てきたり、不思議と聖書のエピソードを連想させる場面が非常に多かったのが面白かったです。


 この公演は2015年5月12日(火)・13日(水)にフランス、ルアーブルのル・ヴォルカン国立舞台で初演。日本での初演は2016年1月に、滋賀県びわ湖ホールで予定されています。高谷さんと鶴田真由さんという異色の組み合わせはたぶん大きな話題になるはずで、しかも海外からの逆輸入公演ですから、注目もいっそう高まるかと。ご興味をお持ちの方は下記の公式アカウントから是非チェックを!

びわ湖ホール Biwako-Hall @biwako15thAnniv