京都精華大の卒展:岩本樹さん

 京都精華大の卒展で気になった方。日本画の岩本樹さん。とにかく巧いんですが、何を考えて描いてるのかよくわからない部分と、ちょっと異様なくらいリアリティーのある人物の表情が同居しているところに非常に惹かれる。タイトルは《Night of a certain day》。うーん、なんだかよくわからない。

 見てください、この↓迫真性。

 メガネをかけてる人物も混ざっていて、故事に基づいた画題でないのは確かなのだけれど、画面全体が何か抹香臭い感じがして、一体何を考えてるんだろうと引き込まれる。

 全体の構成も巧み。全員が蓮の池のなかを進んでいて、なんだかちょっと死後の世界のようにも見える。牛の背に乗っている人物は奇妙な仮面をつけていて不気味。

 岩本さんはツイッターをやってらして、過去のツイートを読み返してみると、何やら非常に明確なテーマに基づいて制作したらしいことは確かなようです。

岩本樹 ‏@gants11
卒制の案が今頃やけど歩いてたら思いついた! まだ意味とかあってるかわからんし早く中身詰めていかな!(`・・´)

 ……と、検証作業が必要なくらい絞り込んだテーマらしいのですが、浅学非才の私にはまったく読み解けませんでした。無念。機会があればご本人のレクチャーなど是非聞いてみたいところ。修復の方のお仕事が忙しいようですが、ご自身の表現も是非続けて欲しいものだと思います。

岩本樹
https://twitter.com/gants11