Entries from 2013-01-01 to 1 year

予告 ●講演「コドクノチカラでつながろう」広島市現代美術館

予告●講演「コドクノチカラでつながろう」 広島市現代美術館、2014年1月25日(土)14〜15時半 〒732-0815 広島市南区比治山公園1-1 ※参加無料、申込不要 [アクセス] http://www.hiroshima-moca.jp/main/visit.html#2 ひとりぼっちのさみしさを芸術作品に託し…

上田服飾専門の在校生、「でこぱんつ展」で朝日新聞掲載!

えーと、教え子の快進撃が二連発で続きまして、先生業やっててホントに良かったなと思います。嬉しいです。一発目は上田服飾専門学校の子たちです。学校の行事とは全然関係なしに「でこぱんつ展」というのを彼女たちが自主企画としてやりまして、それが朝日…

小企画 「奥田善巳展」@兵庫県立美術館

全然話題になっていない展覧会ですが(なんと記者発表に出たのは私一人)、兵庫県立の奥田善巳展、これは60〜70年代の現代美術に関心のある方は見といた方が良い展示なんじゃないかと思います。というのも奥田さんは、あの読売アンデパンダン展に出品していた…

工藤哲巳の「インポ哲学」について

「報道に載せにくい言葉がある・・・では、これならいかが?」 あなたの肖像—工藤哲巳 回顧展公式ブログ http://www.tetsumi-kudo-ex.com/blog/blog018/ 国立国際美術館では現在「あなたの肖像—工藤哲巳 回顧展」というのを開催中なのですが、同展の作品タイ…

「中日新聞「あいちトリエンナーレ2013」記者座談会」について

「中日新聞「あいちトリエンナーレ2013」記者座談会に対する芸術監督五十嵐太郎氏の連投」 http://togetter.com/li/583137 「中日新聞「あいちトリエンナーレ2013」記者座談会」、その酷評ぶりには本当に戸惑います。今年の「あいち」は私がこれまで見た日本…

二人称小説のこと

昨日は「ぷよぷよ」などのゲームで知られるゲームデザイナーの米光一成さんと、文筆家の千野帽子さんのトークにお邪魔した。文藝関係の集まりにお邪魔したのは久しぶり。人称と語り手をめぐる話だったけど、美術に応用したらどうなるか考えながら聞いてたら…

藤野可織さん『おはなしして子ちゃん』

遅くなりましたが藤野可織さん『おはなしして子ちゃん』読了。彼女の作品の中でいちばん面白いし、作家としてのホンネをぶつけた作品かと思います。ストレートで勢いがあり、作品のイメージがくっきりしている。 藤野可織『おはなしして子ちゃん』 http://ww…

「ゲンビ New era for creations – 現代美術懇談会の軌跡1952-1957」

本日は芦屋市美博の展覧会「ゲンビ New era for creations – 現代美術懇談会の軌跡1952-1957」へ行ってきたのですが、思っていた以上に面白い、というかグッと来るものがある展示でした。「ゲンビ」ってのは50年代に大阪にあった「現代美術懇談会」の愛称で…

『おはなしして子ちゃん』、野村誠、鶴井かな子、伊藤一洋、野上千晶、黒川彰宣

本日はいろいろあったので箇条書き風に。まずは藤野香織さんから新刊『おはなしして子ちゃん』ご恵投いただきました。ありがとうございました。今晩読もうかな。ギャラリー回り一軒目はアートスペース虹、野村誠さん。野村さんはピアニカ奏者で作曲家、サザ…

暗黒舞踏と貞子と日本人

昨日は久々に上田服飾専門学校にて、ゴシックロリータ論の授業をやりました。夏休み明けの一発目の授業です。正課の授業では課題制作をやったのですが、課外の授業ではちょっとイタズラ心を起こして、60〜70年代アングラ文化を解説。三島由紀夫を中心に、土…

宮本佳明の《福島第一原発神社》について

昨日のあいちトリエンナーレの話、ちょっと続き。あのなかで宮本佳明の手になる、福一原発に神社の屋根を被せた作品《福島第一原発神社》が展示されていたけど、見ようによっては悪ふざけというか悪趣味な揶揄に見えてしまいそうなので、少し説明をくわえて…

あいちトリエンナーレ、やなぎみわ、ベーコン

あいちトリエンナーレ行ってきた。すごく意味のある展示だったんじゃないかと思う。おおむねの方向性は聞いてたけど予想以上。原子力の問題に対するストレートな意思表示が前面に出ている。実行委員会には経済団体なども多く名を連ねるプロジェクトで、これ…

萌えきゅんルネサンス

ギリシャ以来の西洋古典美術は、その多くが聖書やギリシャ神話を主題とし、先行作品の模倣と変奏を伝統としてきました。つまり古典美術とは、聖書やギリシャ神話のキャラクターをもとにした、一種の壮大な二次創作の連鎖であると言えます。 現代日本のオタク…

大人の社会見学:藤野可織さん芥川賞授賞式

というわけで、芥川賞の授賞式行ってきたですよ。藤野さんおめでとう、そしてありがとう。たぶんこんなこと人生で二度とないだろうなあ。以下、お上りさん丸出しで会場のようすをご紹介。会場は東京会館ってとこ。皇居のど真ん前。いまの建物は昭和46年にで…

大西康明、松澤有子

京都芸術センターの大西康明、松澤有子『dreamscape ─ うたかたの扉』、非常に良いです。下はいずれも大西さんの作品。じっくり見れば見るほど無数の表情が立ち現れてきます。 木の枝は本物ですが、そこから垂れ下がっている部分には、糸などは使っていませ…

まだらの美術史

昨日ちょっと気がついたことをメモとして。実は最近、ちょっと「具体美術協会」について考えることがあって、そういうえば椹木野衣さんはどう書いてたかなと思い『日本・現代・美術』を久々に読んだんですよ。で、驚いたのはほとんど何も書いてない。「具体…

飴屋法水『教室』

飴屋さんの公演見てきた。どう受け止めていいのか、まだよくわからない。でもすごく衝撃的で、密度の濃い体験だった。客席では多くの人が泣いていた。一人でも多くの人が、あの公演を何らかの形で記録することを望む。一人ではとうてい受け止めきれない。飴…

塩田千春《ありがとうの手紙》

高知県美での「塩田千春展 ありがとうの手紙」のようす、ブログにもまとめておきます。まずは高知県立美術館のようすから。外装はしっくいで塗られてて、土蔵を思わせる和風のデザイン。落ち着きます。はりまや橋から電車で10分くらい。交通至便。 高知県立…

ウォルター・デ・マリア、ショーヴェ洞窟、ヘルツォーク

ウォルター・デ・マリアさん、逝く。直島の巨大な大理石のインスタレーションで有名なデ・マリアさん。引きこもりがちな人柄で「作品そのものに語らせたい」と、インタビューも写真を撮られるのも嫌いだったらしい。60年代にバンドを組んでたときに担当して…

寺村サチコ(橘画廊)

あんまりごちゃごちゃ説明するものでもないと思うので、とにかく写真を。 イカとかウミウシとか海洋生物のように見えますが、全て布製、手染めの染織作品。いずれも「花」を象ったものだそうですが、別に海洋生物と見ても構わない、とのこと。実際、この種の…

「横尾忠則どうぶつ図鑑」

本日は試験のあと、見逃していた「横尾忠則どうぶつ図鑑」を見に横尾忠則現代美術館へ。基本的には夏の子ども向け企画だけれど、なかなかどうして興味深い。ふだん見慣れていた横尾作品のなかに、あれ、ここにも動物が、あれ、こっちにも動物が、という発見…

アートコートギャラリー、澤崎賢一さん

昨日はアートコートギャラリーに行ってきたのですが、なかでも澤崎賢一さんの作品が非常に気になりました。戦争をテーマに扱った作品で、どちらかといえば納得の行かない印象を受けたのですが、私の場合はこういう感情的反発から作家との関わりが生まれるこ…

「わたしたちは粒であると同時に波のよう」厚地朋子、須賀悠介

@kcuaでのグループ展「わたしたちは粒であると同時に波のよう」のようす。上二点は厚地朋子さん。関西ではなかなか見ることのできない作家なので、久しぶりに見られて嬉しかったです。遠近法の解体、モチーフの解体というところに大きな特色があるかと。だま…

アート大阪

今回は直接売上に関係しないパフォーマンスが2件、インスタが1件あって、売らんかなだけではない珍しいフェアになっています。やっぱアートなんだし、そういう部分もないと、ね。以下に今回気になった作家を幾つか。 ★名和晃平さん(ノマル) やっぱり安定し…

浪漫少女會

浪漫少女會グループ展「おはなしの箱庭」会場のようす。お店っぽくなっている! 会場では『明日まで』と聞いたような気がするのだけれど、今日までなのかな。夏の終わりにもう一度、今度は大阪でやりたいとのことなので、上の写真見て気になった方は下のブロ…

堂島リバービエンナーレ、瀧弘子

堂島リバービエンナーレは「水」をテーマにしたアートの祝祭。衝撃的なアラヤー・ ラートチャムルーンスックの作品や、凛とした存在感の素晴らしい杉本博司さんなど、素晴らしい作品はいっぱい。けれども今年は一言で言って畠山直哉さんの作戦勝ちではないか…

三好彩さんについて

次号THのゲラ責了。今回はしんどかったが、どうにか終わった。次号はまったくの新人をカラーで掲載します。三好彩(みよし・さえ)という京芸出身の作家で、かなり表現主義的というか、どろっとした作風。ここ数年、京芸にもだんだんこんな人が増えてきた。…

関西ニューウェーブ覚え書き

関西ニューウェーブをめぐる覚え書きのツイートと、関西ニューウェーブの一員であった松井智惠さん(‏@templelotus)からのご教示を下記にまとめておきます。まず最初に私が連投したのが下記のもの三つ。 @hiroyuki9999 ふつう関西ニューウェーブというと、カ…

美学会:寺山、コクトー

昨日は京都大学で開催された美学会へ。実を言うと美学会にお伺いするのは生まれて初めて。発表は二本立てで、寺山修司を対象にしたものとコクトーを対象にしたもの。どっちも好きだし共通項の多い二人なので、とても楽しく伺いました。 ====================…

餓死は増えているのか?

@hiroyuki9999 知らなかった、餓死者っていま、こんなに多いのか……。 http://tmaita77.blogspot.jp/2012/11/blog-post_22.html … 1950年代と同水準なんだね、もう。 ……というツイートをしたところ、これにものすごい数の反響があって、ちょっと面食らってい…