Entries from 2011-07-01 to 1 month

村上春樹と殺される王

村上春樹関連のまとめ、補足。 羊という動物は、戦前に軍部が防寒用の毛皮を取るために飼育を推奨した動物だった、とのエピソードが「羊をめぐる冒険」には綴られている。我が国の綿羊産業の歴史のなかで、実際に軍需との関連がそれほど強固だったかどうかは…

村上春樹と「毒になる親」

わけあって村上春樹の初期三部作を再読していて、面白いことにいくつか気づいた。一つは70年安保の挫折体験が背後にあるらしいということ。学生時代に読んだときには、まるで気がついていなかったけど、これはモロだ。もう一つは作中に登場する架空の作家、…

モホイ=ナジ、打ち合わせ、バー新聞女

昨日は京都国立近代美術館で展覧会「視覚の実験室 モホイ=ナジ/イン・モーション」、同じ会場で「やなぎみわ演劇プロジェクト三部作『1924』 vol.1 "Tokyo-Berlin"」を見ました。内容はまた機会があれば。やなぎさん髪型変えてかわいくなってた。 あと昨日…

極並祐、Tasting Art Exhibition

見たもの二つ。まずはJR三越伊勢丹6階「極並祐(きわなみ・ゆう)個展」、心地よい緊張感。阪急メンズ館「Tasting Art Exhibition」、入り口すぐの新聞女さんの作品に人だかり。ほかにも東學さんなど野心的な作品多数。毛利そよ香さんの作品が非常に力強い。…

「sweet memory —おとぎ話の王子でも」

さて、これは何でしょう? 実はこのジュエリー、涙と寒天でつくられたもの。協力者から涙を提供してもらい、そのときに思い浮かべた出来事や、その涙を共有したいと考える人を書いてもらったテクストとともに展示した作品。作家は林智子さんという方です。 …

memo:御堂筋「赤い服」ミステリー 夜中にせっせと着せ替えか

以下、朝日新聞の記事より引用。 「御堂筋「赤い服」ミステリー 夜中にせっせと着せ替えか」 大阪市は25日、御堂筋の歩道に置いたブロンズ彫刻の人物像19体に、赤い服のようなものが着せられていたとして、大阪府警東署に通報したと発表した。壊されるな…

アナログテレビ終了

昨日は地デジ完全移行の日でしたが、地デジ移行というより「アナログ終了」というニュアンスが、ネット上には色濃く漂っていました。この日は「テレビの新生の日」としてではなく、「テレビ時代の黄昏の日」として記憶されるのかもしれません。かつて娯楽の…

memo:シュヴァンクマイエルほか

22日に見た展覧会。「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展」、「ドールシンフォニー」京都文化博物館、「sweet memory おとぎ話の王子でも」京都芸術センター。いずれも見応えあり。感想は時間があればのちほど。

ジミヘンのギター・サクリファイス

昨日、ジミヘンのモンタレーの演奏を大学で上映したところ、例の壮絶なギタークラッシュを見て、授業終了後の感想に「楽器を壊すなんて許せません!」という意見が多数出ました。まあ単にジミヘンの猿真似してギター壊してるバンドとか見ると自分も凍り付く…

「コレクション展II 特集展示」兵庫県立美術館

今日から兵庫県立美術館で、新収蔵品のコレクション展が始まった。目玉はやっぱりヤノベケンジさんの作品だろう。兵庫県立は2009年度の動員が100万人を突破したこともあり、ヤノベさんの大作をはじめ、いくつかの現代美術作品を購入した。今回はヤノベさんの…

加藤泉「はるかなる視線」(心斎橋six)

昨日やっと加藤泉さんお展覧会「はるかなる眼差し」(心斎橋six)を見てきました。最初に私が加藤さんの作品を見たのは、確か2007年のMOTアニュアルだったと思います。そのときに作品から感じた得も言われぬ不気味な印象は、いまでも強く私の胸に残っています…

ART OSAKA

今日の収穫。Port Gallery Tの川辺ナホさん。スポットを使ったトリックアート的なもの、3D-CADを使ったと思しきドローイングなど、「立体とは何か」を再考させる試み多数。個展があったら是非行きたいと思いましたが、お住まいはひょっとして海外なのか…

マニエリスムとゼロ年代

唐突ですが先だって、ちょっと機会があって、伊東宣明さんという作家の方とお会いしたんですよ。伊東さんは既に国際的なグループ展とかにも出品しておられる方で、その後少しメールの交換とかもさしてもらったんですが。 で、そのメールの中でちょっと面白か…

「311以降」について

今朝方「311以降」という言葉を使ったら、ちょっと抵抗や違和感を覚えた方がいらしたようだったので、以下その件について。 ======================================== 事実上の問題として、311以降の状況に対応した実にさまざまな表現が、音楽や美術、そ…

クリエイターズ・ネスト、堂垣園江さん/栗田咲子さん個展「養いもの浄土」

昨日は心斎橋の「リズール」という文学バーで〈クリエイターズ・ネスト〉という催しにお邪魔してきました。作家の堂垣園江さんの自作朗読とトークを拝聴したのですが、自作解題みたいなものは結構すぐに終わってしまい、後半は中南米の危ない国々の社会事情…