Entries from 2010-01-01 to 1 year
歌人の佐藤弓生さんから、歌集『薄い街』をご恵贈いただきました。 私が感じるところのあった歌を、ここにご紹介しておきます。 http://amzn.to/fbpN3g 「コラージュ・新世界より」雨。こめかみにふりかかり見あげれば桜のあばらあらわなる冬ひとりまたひと…
いま神戸元町のギャラリー開で、松原正武さんの個展「虚実」をやっています。これは非常に複雑な手順を経て作られた作品で、まず最初に壁やペンキのひび割れをモノクロネガで撮る。次にカラー印画紙にプリントして、それを少しずつ削る。すると印画紙にはシ…
いま兵庫県立美術館で「描かれた人々-女と男」というコレクション展をやっています。美術史の中の女性像、男性像に注目するもので、コンテンポラリーなものも結構たくさん出ています。私的には下のギュウちゃんこと篠原有司男さんの作品なんかが大好きなので…
まずは下記の朝日新聞の記事をご覧ください。 アート作品「バッタもん」 ヴィトン社抗議で展示中止 2010年6月27日4時1分撤去された岡本光博さんの作品「バッタもん」=岡本さん提供 神戸市立の神戸ファッション美術館(同市東灘区)に展示されたアート作品が…
中国文学者の福嶋亮大さんが、近年流行する「クールジャパン」的な美学、そしてその源流にある若冲ら「奇想の系譜」の画家たちについて、非常に面白いことを書いていらっしゃいます。もとはツイッター連投ですが、例によって一続きのテクストにします。 @lia…
これは展覧会というよりも、まずアーカイブなんだろうなと思う。かつてダムタイプが中心となって、京都市左京区という実に狭いエリアに繁茂した、社会運動とも芸術運動ともつかない混沌としたムーブメントの記録。それはいくらでも矛盾する形容を引き寄せる…
今年の春、草間弥生さんや奈良美智さん、会田誠さんらも参加した大規模なグループ展「絵画の庭」(国立国際美術館、大阪)で、ひときわ異質な存在感を放った画家、後藤靖香さんのインタビューを、webマガジン『clippin jam』に発表しました。後藤靖香さんの…
私自身が企画に絡んでいるわけではないのですが、元国立国際美術館学芸員、現・京都市立芸大の加須屋明子さんからお知らせがありましたので、ここに転載。たぶん私も行きます。 「中東欧美術のいま」 ベンチュク・バルナバーシュ(ルードヴィグ美術館館長) …
以下、cinra.netの記事より転載。2010/09/10に掲載されたもの。========================================10月30日から開催される東京発の舞台芸術の祭典『フェスティバル/トーキョー10』の一環として、期間限定のカフェ『カフェ・ロッテンマイヤー』がオー…
高原英理さんの新作短編「遍歩する二人」が、『群像』の10月号に掲載されています。「遍歩」は「へんぽ」と読んで散歩のことを意味する作中の造語で、夜の町をあてどなく散歩する二人を描いた作品です。なんで散歩でなく遍歩というのか、というのは、実際に…
ちょっとご紹介するタイミングが遅くなったのですが、高原英理さんの新作短編「ポエティック・クラッシュ」が『文學界』今月号に掲載されています。詩人が二人、公の席で討論をするのですが、実は実は……という話。冒頭から高原ファンならニヤリとさせられる…
今日で8月も終わりとなり、学生諸君は課題やレポート作成に青息吐息で憂鬱な日々だと思いますが、この夏休みはいかがお過ごしになったでしょうか。この7月、8月の夏休み期間中には、瀬戸内芸術祭やあいちトリエンナーレなど、大規模な芸術祭の取材が相次…
本日から国立国際美術館で、劇団WANDERING PARTYによる公演「total eclipse−トータル・エクリプス−」が上演されます。この作品は現在、国立国際で開催中の「束芋:断面の世代」展で、作家自らが「本展の発想の原点となった公演」と語っている演劇作品です。…
本日より開幕、あいちトリエンナーレに行ってきました。ただし、行けたのはお目当ての塩田千春さんが出品している、名古屋市美術館での展示のみ。大須観音から徒歩5分ほどの公園の中にあります。入り口にぶら下がっているのはエクトール・サモラ《大胆なレ…
夏休みの期間中、あまりにもおいしいお店に行き当たったので、ここにメモ代わりに書いておきます。場所は岡山と福岡。===========================板前ごはん 梅屋 http://www.hotpepper.jp/strJ000767266/ 瀬戸内芸術祭に行ったとき、ごはん食べた岡山のお…
豊島だけ行ってきました。後日、いろいろ補足するかも。 しばらく行かないうちに、直島の港はSANAA設計のどえらいかっこいい施設に変貌。以前は台風で流されていた草間弥生の黄色いカボチャも、赤いカボチャになって巨大化し、パワーアップ。あか抜けていく…
初日に行ってきました。ギャラリーの中に仮設の映画館をしつらえて上映するというスタイルで、上映される作品は都合12本、全部見ると約2時間半にもなるというもの。席数がやや少なく、時間帯によっては立ち見になったりすることもあるので、楽な格好で行か…
ごく乱暴に一言でいえば、「アート宇宙へ行く」。そんな変わった展覧会が、いま京都国立近代美術館で開かれています。展覧会のタイトルは「生存のエシックス」。いちおうグループ展なのですが、通常の美術作家以外に、さまざまな研究機関や企業とのコラボに…
今年は本当に大変な年で、5月19日に荒川修作さんが亡くなり、5月26日には針生一郎さんが亡くなり、6月1日には大野一雄さんが亡くなった。こうも立て続けに、戦後の前衛を代表する方が亡くなるというのは、いったい何ということだろうかと思う。前衛が終…
名古屋のケンジタキギャラリーで開かれている、塩田千春さんの新作展に行ってきました。やはりすごい、という印象を新たにしました。 このほか、会場にはコンクリートを詰め込んだ鞄のインスタレーションも。今年は塩田さんの展示が多くて、既に開催中の瀬戸…
よけいな説明はしません。「うわ、なんだこりゃ!」と思ったら、どうぞ京都芸術センターへ。お子さん連れのお父さん、どうぞ一日童心に帰ってご覧ください。本日初日、8月26日まで。 http://www.kac.or.jp/bi/364
http://sites.google.com/site/africannightpart2/Home……が、しかし、いつも礼状を書こうにもメールアドレスがわからないので、筆の執りようがないのです。はがきを出せ、という謎かけなのかな。さすがに億劫、そこはご容赦。美しい奥様にもよろしく。ではで…
あれ、抽象画かな、と思いきや……。これが全部オモチャのプラレールでできている。アートファンならご存知、パラモデルの作品です。パラモデルは林泰彦と中野裕介の二人組アートユニット。ともに京都市立芸大の卒業です。これまでにもいろんなところで展示を…
以下、メモとして転載。2010年6月27日4時1分撤去された岡本光博さんの作品「バッタもん」=岡本さん提供 神戸市立の神戸ファッション美術館(同市東灘区)に展示されたアート作品が、高級ブランドのルイ・ヴィトン社からの申し入れで撤去されていた。京都市…
私はいま、京都造形芸術大のASP学科というところで、サブカルチャーとハイアートについてレクチャーを行っています。そこで図らずもわかってきたのは、学生の多くがいわゆるアートよりもむしろサブカルチャーに興味が強いということでした。彼らのほとん…
あんまりぐだぐだ論じ立てるのは無粋な気がするので、とにかくまぁ見てください。 とまあ、こういう作品。「なんだこりゃ!」と思われた方は会場へ是非どうぞ。ちなみに後半の白い2体は、本当にケーキのクリームを絞り出すのと同じ要領で、クリーム状の粘土…
驚いた。まったく突然の訃報。大阪の国立国際美術館で、初期作品展が始まったのが4月17日。そのときはお見えにならなかったけれど、スタッフの方から「ひょっとすると会期中においでになるかも知れないよ。連休後には来られるかどうかわかるから」と聞かさ…
せんだって、京都市内にできた新しいギャラリー「@KCUA(アクア)のことをご紹介しました。京都市立芸大と京都市立銅駝高校が、京都市内の都心部に設けたサテライトギャラリーで、正式名称は堀川御池ギャラリー。その落し展である「きょう・せい」については…
前回から少し間が空きましたが、吉村良夫さんのことについて今日は書きたいと思います。前回のブログでご紹介した仏文学者、大野英士さんからご紹介いただいた、美術評論家の方です。吉村さんはもともと朝日新聞社の大阪本社で二十年以上にわたり、美術記者…
さて、昨日のブログでも少し触れた仏文学者、大野英士さんについて、今日は少し書きます。大野さんは東京大学を卒業後、いったん予備校に勤務しますが、その後、私費でフランスはパリ第七大学に渡った方です。昨日ご紹介した盲目の画家、末冨綾子さんと大野…