夏休みにやったこと
今日で8月も終わりとなり、学生諸君は課題やレポート作成に青息吐息で憂鬱な日々だと思いますが、この夏休みはいかがお過ごしになったでしょうか。この7月、8月の夏休み期間中には、瀬戸内芸術祭やあいちトリエンナーレなど、大規模な芸術祭の取材が相次いだ上に、実にたくさんの場所に私のテクストがリリースされまして、なかなか充実した日々でした。
なかでも嬉しかったのは『ユリイカ』の「10年代特集号」に書けたことでした。『ユリイカ』は日本の批評界の一角を担う雑誌でありまして、そこでこの10年を語る上で、こいつにも一筆書かせといてやるか、と思ってもらえたというのは、やはり批評家としてささやかな自慢になろうかと思います。「日本ファッション滅亡論」という、結構過激なタイトルですが、ゴシック・ロリータのファッションについて論じたもの。ゴシック論の書き手としても、嬉しい出来事になりました。
「日本ファッション滅亡論」
『ユリイカ 特集=10年代の日本文化のゆくえ』2010年9月号
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4791702123
======================================
これはまあ余談ですが、このユリイカが出る前号で、次号執筆者一覧に、私の名前が「天野ヒロユキ」と間違って印刷されてたそうですね。キャイ〜ン! あんまり嬉しくはないですが、ちょっと笑える話ではあります。天野ひろゆきさん、スイマセン。
======================================
さて、もう一つ嬉しかったのは、『批評の庭』というwebサイトでの執筆が始まったことですね。主宰の小金沢智さんは、世田谷美術館の学芸員でもあり、こうした公的な職にある人と一緒に仕事をする場があるというのは、在野一本槍で来た私にとっては、結構嬉しい話なのです。
「デヴィッド・リンチ展@コム・デ・ギャルソン Six」
『批評の庭』2010年8月12日更新分
http://www.art-critic.org/2010/08/darkened-room.html「ART OSAKA 2010」
『批評の庭』2010年7月21日更新分
http://www.art-critic.org/2010/07/art-osaka-2010.html
それともう一つ、我ながら意外な仕事だったのは「X JAPAN検定」の仕事でした。これは広告代理店経由の仕事なので、厳密には批評の仕事とは呼べないかもしれませんが、やはり日本を代表するゴシック系バンドの仕事ですし、Yahoo! JAPANさんとはこれが初仕事ですから、私にとってはメモリアルな仕事だったと思います。
「X JAPAN検定」
『Yahoo! JAPAN みんなの検定』
2010年7月16日更新分
http://minna.cert.yahoo.co.jp/cufex
このほかレギュラーである『TH』や『週刊金曜日』、『Clippin Jam』、それから『投稿ニャン2倶楽部Z』(笑)の仕事も入れると、相当な数をこなしたことになります。もちろん数だけをやっているから自慢になるというわけではありませんが、いずれもそれなりに丁寧に取材し、論じたつもりです。
秋からは学校の方でも、今度は「物語論」という、これまでにやったことのないジャンルに挑戦します。論じる対象は主に映画なのですが、物語のプロットはいかにすればできあがるのかというテーマで、独自に考えた枠組みを使って論じたいと思っています。もちろん、これまでの構造主義的な物語論などは数多く参照するのですが、もっと作家の立場に立って、使い勝手の良い理論構築ができれば、というのがその狙いです。この話についてはまたいつか改めて、このブログでも紹介したいと思います。
そんなわけで秋からもよろしくお願いします。それと生徒諸君、ちゃんと宿題やってくるんだよ!