堂島リバービエンナーレ、瀧弘子

 堂島リバービエンナーレは「水」をテーマにしたアートの祝祭。衝撃的なアラヤー・ ラートチャムルーンスックの作品や、凛とした存在感の素晴らしい杉本博司さんなど、素晴らしい作品はいっぱい。けれども今年は一言で言って畠山直哉さんの作戦勝ちではないかと思う。旧作の出品であるにも関わらず、非常に鋭く異物のように、作品が会場に突き刺さっている観がある。



 グロテスクなこのマーブル模様は、東京の下水道を流れる汚水の色。今わたしたちにとって一番リアリティーのある水とは何なのか、見るものに突きつけてくる。設定されたテーマにどう答え、どう裏切るかという意味において、畠山さんの作品は突出してるような気がする。ちなみに下は中二階みたいなとこから見た堂島ビエンナーレの会場全景。美しい。作品が綺麗と思う展示はあっても、会場の全景が綺麗と思える展示って、あまり記憶にない。そういう意味でも貴重な展示。



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 で、こちらがいま話題の瀧弘子。毀誉褒貶、賛否両論、いろいろあるとは思うけど、若者がこんだけ頑張ってんだから、まずは見ない手はないと思って見に行った。彫刻ではなく、本人がやっている。この形態的な緊張感、ただごとではない。いずれこの展示のことはどこかに書くつもり。彼女は近々京都で個展を開催する予定とのことで、是非見に行っていただければ、と思う。