飴屋法水『教室』
飴屋さんの公演見てきた。どう受け止めていいのか、まだよくわからない。でもすごく衝撃的で、密度の濃い体験だった。客席では多くの人が泣いていた。一人でも多くの人が、あの公演を何らかの形で記録することを望む。一人ではとうてい受け止めきれない。飴屋さん、コロスケさん、くるみちゃん、お疲れさまでした、ありがとうございました。本当にそのくらいしかいま言えない。胸がいっぱいで。
TACT/FEST 2013 国内招聘プログラム
飴屋法水『教室』
出演:くるみ、コロスケ、飴屋法水
脚本・演出 :飴屋法水 音響助手:C
8/7(水)〜8/11(日)、LOXODONTA BLACK
翌朝、ツイッターで朝から「飴屋」を検索して、実に多くの人が今回の「教室」という公演に関して、失語状態に陥っているのを改めて知った。そりゃそうだと思う。ナマの親子三人と、飴屋さんの実のお父さんの骨の実物を見せられたのだから。本当に言葉を失う以外にない。
《作品について》とある「教室」。そこでは人間と動物の生の違いが説かれる授業が行われようとしている。成長と記憶の二軸が幾重にも絡み合い紛糾化された物語に待っている答えとは?舞台芸術界での活動以外にも美術界、音楽界、そしてペットショップオーナーとなりフクロウと暮らし始めるなど、自らの存在を次々と変容させていく飴屋法水が次に取り組むのは親子の演劇。児童演劇としては描かれることの少ない”父親”に焦点を当てて作り出される新しい世界観。…僕は、こどもにとって、答えを知らない先生役。(LOXODONTA BLACKサイトより)
公演のことを知ったのが直前で、あとから公演の性格を知った。そもそもは「ドイツ、デンマーク、フランス、スウェーデン、オーストラリア、カナダ、韓国や国内の児童演劇の公演、関西の若手アーティストによるパフォーマンス、ワークショップなど子ども向けのプログラム」(あべの経済新聞)なのだそうだ。子ども向けとしては本当にずいぶん思い切った演目だったと思う。
阿倍野で「大阪国際児童青少年アートフェスティバル」開催へ
http://abeno.keizai.biz/headline/925/
「飴屋法水インタビュー」取材・文=徳永京子
http://www.theaterguide.co.jp/feature/ameya/
確かに飴屋さん、コロスケさん、お二人の実子であるくるみちゃんが出てきて、実の親子による三人の舞台なんだけど、いわゆる「子ども向け」ではまったくない。少なくとも「子どもだまし」の要素は一切ない。大人が真っ正直に子どもに向き合って、ぎりぎりの地点で何を言うか、何を言わなければならないかを問いつめ、問いつめられる劇。ちょっと島尾敏雄さんの「死の棘」を思い出した。
@azusa_hashimoto 飴屋法水「教室」初日、感動しました。私事ですが家族が昨夜危篤になり少し持ち直し、それと別に明日にも新しい家族が生まれようとしているというすごいタイミングで観てしまい、いろんな気持ちが増幅されました。思い切って来てよかったです。もう二度とない経験でした。ありがとうございました。
上のツイートで橋本さんが書いてるけど、あの舞台は飴屋一家がハダカになっている舞台のようでいて、その実、見てるこちらが裸にされるような感じがする。宙に浮いた客観的な視座から何を言ってもあまり意味がなくて、自分がどう生きてるかということに関わってくる。それが重い。どこかにこの公演のことは書きたいけど、正直書けるかどうかわからない。そういう舞台でした。