赤田祐一さんと『dankaiパンチ』

このたびご縁あって『dankaiパンチ』という雑誌に書きました。先方からのご依頼は「タナトスと深く関わる絵画についての不定期連載をつくりたい」ということで、記念すべき第一回は石田徹也さんという画家についての話。石田さんは三十代の若さで夭折した方で、没後、その作品に数千万円の値がついたという、非常に数奇な運命を辿った方です。


http://www.tetsuyaishida.jp/


ところで、このお話をくださったのは、赤田祐一さんという編集者なのですが、この人は知る人ぞ知る出版業界の風雲児です。古くは謎本の走りである『磯野家の謎』で大ヒットを飛ばし、私財を投じて『Quick Japan』を創刊したことでも有名。日本ホラー小説大賞の審査員からけちょんけちょんにけなされて落選した小説『バトルロワイヤル』を発掘し、一躍メガヒット作品にしたことでも知られる名編集者です。彼の伝記を書くだけでもスマッシュヒット本が生まれそうな気がするのですが、どうして誰もやろうとしないのでしょうね?


http://ja.wikipedia.org/wiki/赤田祐一


私は自分がまったく出版業界に縁のなかった頃から、赤田さんが編集長を務めていた時代の『Quick Japan』の大ファンで、いつかこんな編集長と仕事がしてみたいと思っていたものでした。それがこんなかたちで実現するとは、まったく棚からボタモチというかヒョウタンから駒というか、人生何があるかわかりません。


http://www.amazon.co.jp/dp/B001P5M9RQ


『dankaiパンチ』はいまはなき『平凡パンチ』を読んでいた世代に向けて創刊された雑誌で、近田春夫さん、川本三郎さん、沢木耕太郎さん、北山耕平さん、平岡正明さん、上杉清文さん、シャングリラのお二人に藤原新也さんと、執筆陣は驚くほど豪華な顔ぶれ。そんななかに自分が混ざっているのは不思議な気分ですが、ここでへたれてしまってはダメで、自分に自信を持って頑張ろうと思っています。


http://ja.wikipedia.org/wiki/平凡パンチ


赤田さんとはその後、神戸でお会いしたのですが、非常に気さくなアングラ大好き人でした。書いて楽しく、読んで楽しい雑誌が、また一つ増えたようです。