大西伸明展 chain

雑誌に載せる原稿ばっかり書いてて、今月はあまりブログの更新ができていなかったので、ちょっと今日は少し長く書きます。「大西伸明展 chain」を見てきたのですが、これがすごく良かったのです。

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大西伸明展 Chain
会期/2009年12月19日(土) - 2010年1月23日(土)
時間/13:00-19:00
休廊/日曜・祝日 ※冬期休廊:12月29日(火) - 2010年1月5日(火)
http://www.nomart.co.jp/news/index.html

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この展覧会のことは、年明けの週刊金曜日にも書く予定で、既に原稿も送っているのですが、問題は発売日が早くても22日ということで、会期中に間に合わない。これは是非実物を見て頂きたいので、金曜日には申し訳ないのですが、ちょっとここでも書いておきます。

追記:その後、15日発売の号に掲載に変更になりました。是非お読みください。

作者の大西伸明さんは、もともと版画を専攻されていた人なのですが、現在彼が取り組んでいるのは、版画ならぬ「版立体」とでもいうべきものです。どういうことかというと、日常の身の回りのものから、石膏などで型を取り、そこにプラスチックを流し込んで立体を作る。なにせ本物から型を取っているので、形はほぼ本物と同じ。対象は鹿のツノやシャベル、さらにはテトラポットにまで及び、大きさはすべて実物大で、大西さんの超絶技巧的な着色を施されているため、パッと見には本物にしか見えません。

http://studio-j.ciao.jp/ex2006/images/onishi/shikanotsuno3.jpg
http://nataschakusumoto.up.seesaa.net/image/080527sublime-onishi.jpg
http://www.town.nyuzen.toyama.jp/mpsdata/web/831/shohaburrokku.jpg

で、今回はこうした作品に加えて、映像作品も展示されているのですが、これが「あ!」という仕上がりなのです。これは事前に書いてしまうと、いわゆる「ネタバレ」になってしまうので、是非会期中にご覧になってください。「版とは何か」を追求してきた大西さんですが、今回の作品はぐっと意味論的な内容を深めて「生命と版」「人間と版」という問題にまで踏み込んだと思います。明日28日か、年明け6日以降にご覧になると良いと思います。是非是非。