河村啓生(かわむら・のりお)「チントンカンカン」

 京都市立芸の大学院の彫刻専攻の展覧会を見てきました。「チントンカンカン」という題で、生の野菜やボール紙などを使った彫刻など、面白いです。

「チントンカンカン」
京都・二条城前 @kcua
http://bit.ly/oeZ7nL


 自分が一番気になったのは、河村啓生(かわむら・のりお)さんという方。紙粘土をぐいぐい手で握って作ったレリーフのような作品なのですが、表面をバーナーかなにかで焼いてあり、もの凄い異様な質感。紙粘土って燃えるんだという意外性と「焼く」という行為の凄惨さ。よく見るとレリーフには「手」が造形されていて異様な感じがします。手によって握られた結果できあがる不定形なレリーフの中に、握られた結果できあがった「手」ができている。表と裏、能動と受動が一体になったような奇妙なレリーフ。しかもそれが焼かれている。

 いっぽう会場には「ダーツを投げろ」とか「着ている服を一枚一枚イメージせよ」といった指示が張り紙されている。こういう観客に指示する作品は「インストラクション」と言って、一般にはコンセプチュアルな作家がよく使う手法です。いずれも身体をイメージさせる点が面白い。ちなみに河村さんの昨年の展示を、下記にリンクしておきます。今後の展開がとても楽しみな作家さんです。

NOTE「彫刻から考えること」
京都・二条城前 @kcua
http://bit.ly/qq6cem