「Art Court Frontier 2011 #9」

 昨日見た展覧会のことを少し。「Art Court Frontier 2011 #9」を拝見。毎年好例の同画廊のグループ展で、今年もユニークな作家多数。

「Art Court Frontier 2011 #9」
(アートコートギャラリー、9月17日[土]まで)
http://bit.ly/niPBzb


 和風でアニメ的なポップさを持つCGイラストの上田バロンさんは、私の勤務先の専門学校、OCAの卒業生。一定の規則性を厳密に守ったドットで画面を埋める森本絵利さんは、以前『TH』で紹介。驚異的な細かさで仕事をしていく人で、この人のすごさは肉眼で実物を見ないとわからないでしょう。以上はいずれも既知の作家ですが、ご両名の作品とも素晴らしく眼福に浴しました。

上田バロン http://frlamemonger.com
森本絵利 http://bit.ly/mRRvFY


 酒井稚恵さんは以前にも同ギャラリーで見たことがあるのですが、この人も非常に知的で芸が細かい人です。たとえば下のリンク先の作品。なんだ、ただのコーサージュか、と思うでしょ? でもよく見てください。特に真ん中の輪っかの部分。この輪っかの部分は、布地のドットをちょうど円を描くように縫い合わせて作られてるんですね。実際に縫うところを想像してみてください。どのくらい事前に緻密な計算がいるか、どのくらい丁寧な仕事が要るか。手縫いで服を作った人ならおわかりいただけると思います。

酒井稚恵
http://bit.ly/nFbx55


 もうお一方、非常に興味深かったのが野村在さん。大量の松葉杖を組み合わせて車輪状にした作品と、ちいさな爆発を高速度カメラで撮った作品の二つが展示されていたのですが、少し以前のご本人のブログによると「何かが群れること」に興味をお持ちなのだとか。ある意味、反芸術の時代の作家、工藤哲美さんとも共通するビジョンで、私にとってはとても興味深い作品です。

野村在さんブログ
http://bit.ly/pP3zJx


 爆発の作品は畠山直哉さんにもあって、これも私は大好きなのですが、 野村さんの爆発は非常に小規模で、そこがかえって面白い。部屋の中で起こる、椅子より小さな爆発とかね。不思議な感じがします。

畠山直哉
http://bit.ly/plJ8s6