HONE展、ジャパン・シンドローム、kikikikikiki

本日訪問したのは3カ所。成安造形大の展覧会「HONE展」、高嶺格の展覧会「ジャパン・シンドローム」、ダンスグループkikikikikikiの公演「ちっさいのん、おっきいのん、ふっといのん」の三本立て。


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1■「HONE展」成安造形大


 HONE展はすべて実物の骨格標本を展示する展覧会。解剖学を重視した指導を行う成安造形大らしい展示。キュレーションは同校で教鞭を執る小田隆准教授。ヒクイドリのトサカにはちゃんと骨が入っているのだとか、カエルの口にもちゃんと立派な骨格があるのだとか、とにかく知らないことだらけで発見がある。


 非常に面白いのが「バカ」という動物の骨。哺乳動物の一種なのだけれど、なんとほっぺたに骨が入っているのだ。一体何のための骨なのか理解に苦しむが、別に当人も好き好んで骨を発達させたわけではなく、生命の不思議さに感じ入るばかりである。


 案内してくれた院生の子は非常に優秀で、どれが何の動物の骨か、どんな外見をしているかなど、手元のタブレットでサッと調べて教えてくださった。たいしたものだと思う。ちなみにいまは学祭期間中で、AKBやハルヒのコスプレ姿の学生がいっぱいなので、そっち方面好きな方にもお薦めかも。


http://www.studio-corvo.com/blog/karasu/archives/2011/09/hone.html



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2■高嶺格「ジャパン・シンドローム」京都芸術センター


 高嶺さんの展覧会は、まったく性格の異なる二つの作品を展示するもので、そのうち一つはちょっとトリッキー。メディアアートなのだけれど、仕掛けを説明するとネタバレになるので自粛。北ギャラリーと南ギャラリーの二カ所を使ってあるが、両方行くと「あっ!」と驚く仕掛けになっている。ご自身で体験を。


 もう一本は映像作品。階段の脇の小さなスペースで上映されている。原発放射能に関する質問を、ごく普通の町の中で投げかけるというもの。だが、会話をそのまま録画するのでなく、役者に演じさせて映像化してある。いわば再現VTRなのだけれど、実にいろんなところで対話している。カフェ、花屋、釣り場などなど……。


 多くの人が放射能の影響を否定する、というより否認する。素を飲まされたような表情で対応する人もいる。そんななか、一番危機管理がしっかりしていたのがコーヒーチェーン。従業員は笑顔でハキハキと、牛乳の産地やメーカーを説明していた。が、それが逆にかえって怖い。いろいろ考えさせられる作品。


http://www.kac.or.jp/bi/795


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3■kikikikikiki「ちっさいのん、おっきいのん、ふっといのん」


 これまでほぼ一貫してセクシュアリティの問題を使ってきたkikikiだけに「ナニのことか?」と身構えてしまうタイトルだが、そういうわけではない。三人のダンサーの体型の話。ちっさいのんは、きたまり。おっきいのんは、野渕杏子。ふっといのんは、花本ゆかだ。


 これまではかなり過剰なステージを見せてきたkikikiだが、今回は等身大の三人を、日常的な会話も交えながら見せていく。これまででもっとも客席から笑いがあがったステージではなかったか。今回一番オイシい役どころだったのは花本ゆか。独特のコロコロした体型でキレのある動きの花本には以前からファンが多かったが、今回明らかになったそのキャラクターは「仕込みじゃないのか」と思うほどキャラが立ってる。


 昔は比較的小さな会場が多かったkikikiも、いまでは100人規模の会場が満員になる。会場には外国人客も多く、人気の広がりを感じさせる。セリフもいっぱいあるので、お芝居好きの人にもお薦め。この機会に是非。10月10日(月・祝)楽日、18:00開演。


http://kyoto-ex.jp/program/kikikikikiki/