京都造形芸術大学の卒展
昨日は京都造形芸術大の卒展見てきました。一番目立ってたのは堀健さんの作品。カプセルの中にモーターと磁石が入ってて、小さな虫みたいにピョコピョコ動いているというもの。アイデア賞って感じですね。大学院芸術表現専攻立体造形領域の方です。
この学校もいわゆるオタクっぽい作品に良いのが多かったです。美術工芸学科洋画コース、上野祐加里さん(@HOCORI)の作品はその一つ。上野さんはJARFOでの個展も見てきましたが、かなりよかったです。春からはゲーム会社に就職とのこと、おめでとう。3月にも個展を予定とのことなので、とても楽しみにしています。
もうお一方、美術工芸学科日本画コース、坂上祐斗/げみさんのも良かったです。ちょっと北斎の《蛸と海女》を思わせる構図で、ただし女の子に襲いかかってるのは巨大なアリ。日本画コースならではの発想かもしれませんね。ただし使っている画材はキャンバスにアクリルだそうです。
坂上祐斗/げみさんは既に、Hidari Zingaroでデビューしておいでなのですね。今後の活躍に期待したいです。
Hidari Zingaro
http://bit.ly/wEdZZY
それと、こりゃ完全にやられたわ、というのが高井裕さんの作品。仏壇の中にパチスロの台がはめ込んであって、扉部分にはパチンコののぼりと思しきアニメ絵ふうのイラストがはめ込んである。で、しかも全体がピンク色にデコられてるんですね。
ピンクのデコデコは仏壇全体を覆っているのですが、側面にはこのデコデコでいろんな企業やお店のロゴが書いてある。ユニクロ、松屋、ブックオフ、MOVIXそのほかそのほか。要するに全部「ファスト風土」的な企業名ばかりです。
ある意味でこの作品は、いまの若者の目に見える風景そのものを一つのモチーフに、何のてらいも戦略性もなくぶち込んだ作品だと思うのですが、その結果ここまで凄まじいグロテスクでキッチュな作品が出来上がるというのは本当に逆説的だと思います。この作品を石子順造さんがご覧になったらなんと言っただろうな、とか思ったり。高井さんは情報デザイン学科先端アートコースの方で、昨年は学内の賞も受賞しておられるよう。今後の活躍が楽しみです。