やなぎみわ演劇プロジェクト「1924 人間機械」京都国立近代美術館

 昨日はやなぎみわ演劇プロジェクト「1924 人間機械」(京都国立近代美術館)見てきました。主人公は、いま京都国立近代で回顧展を開催中の、戦前の美術作家、村山知義。彼の作った架空の作品を、エレベーターガールならぬ案内嬢が解説するところから舞台が始まる。で、舞台に村山知義が登場、ダンスを披露する。村山は実際にオカッパ頭でノイエタンツ系のダンスを踊っていた人で、このあたりは史実を踏まえた演出。この村山が一念発起、戦間期のドイツに私費留学、機械による産業勃興を目撃するあたりまでがイントロダクション。


 ここから話がSFチックになるのだけれど、向こうで仕入れた大量の女性型人間機械を、村山は持ち帰って帰国する。この人間機械こそが、冒頭に登場した案内嬢たちだったというわけ。で、帰国後はこの人間機械たちに、作品制作や作品の案内など過酷な労働をさせる。人間機械はかなり頓珍漢な機械で、真面目に案内嬢をやっていたかと思うと、急に見世物小屋の口上みたいな解説になったり、解体・再結合されて化け物のようになったりする。最後は過酷な労働に耐えかねて叛乱を起こし、劇の進行そのものがストップしてしまう。


 と、ここでアナウンスが流れて、会期中は都合により展示できなかった作品を公開するので収蔵庫へ行けという指示。行って見ると先ほどまで踊っていた村山知義が木箱に詰められ搬入用エレベータに乗せられている。つまり村山本人こそが、実は人間機械だったというわけ。実際にはもう少し複雑な筋立てでなのだけれど、今後の再演とかもあるだろうからこの辺までにしておきます。


 戦前の美術作家を主人公にしたブレードランナー的な話だけど、途中で挟まるロボットの叛乱のくだりがモノクロ無声映画の形式になってて、柳下美恵さん(柳下毅一郎さんのパートナー)によるピアノ伴奏がつく。このあたり非常によくって、独立した作品として見られるくらい。これでスチル作品も作って欲しいな。やなぎさんはクルクルのカーリーヘアになっていて、終演後は舞台袖に出現(よく似合ってた)。どうでもいいけど、これで親子三人ともクルクルヘアだと思うとちょっとおかしい。「1924人間機械」は追加公演が決まってて、6月9-10日に高松市美術館で上演予定。彼女のクルクルヘアを見たい方、是非。

「1924人間機械」追加公演
6月9-10日高松市美術館
http://bit.ly/HMlhUu