現代美術二等兵、小沢さかえ、ビリー・カウィー

 本日は京都でギャラリー回りでした。matsuo megumiでは現代美術二等兵の活動20周年トリビュート展。 空山基さん、おかけんたさん、FPM の田中知之さん、森村泰昌さんなど豪華メンツによるトリビュート作品の展示。やっぱ森村さんは完成度高かったですが、森村さんが展覧会に寄せたコメントがまたふるっている。「現代美術二等兵はスゴい。どのくらいスゴいかと言うと、三等兵とか四等兵に格下げしたいくらい」。愛があふれてるなあ、と思いました。

現代美術二等兵20周年記念企画「テディ○○展」
matsuo megumi、10月13日まで
http://bit.ly/mhQZ63


 mori yuは小沢さかえさん「海底オーケストラ」。関西では3年ぶりくらいの展示だそうです。ちょっと不気味なメルヘン路線は相変わらず。これまで森の中が多かったのですが、今回は海底が舞台。単に海底というだけでなく「海底オーケストラ」という設定だけに、クラシックの演目を踏まえた作品も幾つかあるとのこと。私はクラシックに疎いのですが、音楽の好きな方が見ると楽しみも深まるかもしれません。メディウムでシャバシャバに溶いた液体的な表現は影を潜め、様々な筆触がぶつかり合う作風に転換している点は見所かと。テーマ批評的に見ても面白そう。メルヘンの多義性とか、それが抑圧するものとか。

小沢さかえ「海底オーケストラ」
mori yu、11月17日まで
http://bit.ly/SCjN7w


 京都芸術センターはいくつかの展示やステージがやっていたのですが、ビリー・カウィーの展示がすごく良かったです。ビリーさんは英国出身で、美術作家でもあると同時に振付家でも作家でもあるという方だそうで、自作の振り付けを踊るダンスを3Dで映像化した作品をインスタレーション展示。これが非常に美しくて、かなり長く見てました。コンパクトなギャラリーでの展示なので、本当に目の前で肉体が踊っているような生々しさ。天井に映写した作品は、ダンサーが天井から落ちてきそう。実物のステージとも3D映画とも違う、肉感的で官能的なものを感じました。非常に美しい作品です。

ビリー・カウィー『Tango de Soledad / The Revery Alone / In the Flesh』
京都芸術センター、10月28日まで
http://bit.ly/OcOePb


 このほかKUNST ARZT、16、ART ZONEも見てきましたが、このあたりはまた機会があれば。そんなところで、おやすみなさい。