マンガの横書き論議と現代美術について

 マンガの横書き議論がTL上に飛び交ってるのを見てて、いったん日本ローカルの市場で成功してしまった業界の苦しさってのもあるんだなあと感慨にふける今日この頃。現代美術はいくらやってもなかなか日本に根付かなくて、みんな海外に出て行ってしまうけど、それとは逆の現象ですね。でも一頃に比べれば、現代美術は日本国内でも着実に存在感を(それなりに)示すようになって来ています。大阪の草間彌生展20万人とか、東京の小谷元彦展50万人とか、今回の会田誠展の盛り上がりを見るとそう思う。やっぱ特効薬ってのはなくて地道にやるだけかな、と。


 マンガの世界でゼロ年代に日本マンガの世界的盛り上がりがあり、それがいったんペースダウンした流れがあったように、アートでもゼロ年代中盤にアートバブルがあり、いまは逆風の状態。でも良いときもあれば悪いときもあるのが当然で、あまり右往左往しない方が吉かと。非常に凡庸な感想で恐縮ですが、それぞれの人がその立場で、できることをやってくしかないんだと思います。翻訳できる人は翻訳、レビュワーはレビュー書く、セールスする人はセールスする。ローカライズも挑戦する人が出てくればそれに越したことはないと思います。


 誰でもできる素朴な例で言ってしまうと、たとえば面白い日本のマンガのあらすじを英語でツイートする人が増えれば、日本マンガの国際化につながるんじゃないかなあと個人的には思います。とまあ、そんな思いに耽りつつ、ゆく春を惜しむのでした。