西脇行き_美しい街並

 画家、横尾忠則さんの故郷、西脇を訪ねての三回目。今回は美しい街並みについて。一つ目は横尾さん縁の小学校、西脇小をご紹介します。この校舎は横尾さんが通った当時ほぼそのまま。建材も交換することなく、当時のものをそのまま使っているそうです。

 昭和12年の竣工で、唯一、屋根だけは耐震性の観点から、瓦葺きから銅葺きに替えたそうですが、なかなかどうして銅葺き屋根も素晴らしい。映画「火垂るの墓」(2008)や「人間失格」(2010)のロケ地にもなったそうで、本当に美しい校舎ですね(学校の方のご了解を得て撮影しています。無断で侵入なさらぬよう!)。



 こちらは黒住教の教会。Y字路のすぐ近くにあって、お城みたいに立派です。横尾さんのお母さんは黒住教を信仰しておいででしたが、このあたりは不思議なくらい宗教施設が多くて、いわゆる教派神道の教会をはじめ、実にさまざまな宗教、宗派の教会があります。このあたり、のちの横尾さんのオカルト好きに、どこか影響しているのかもしれません。



 播州織のお洒落なお店。このあたりは播州織といって、先染め織物の一大産地。先染めのシャツ生地では、いまだに国産の七割近くをこのあたりの生地が占めていて、お洒落なお店が店を構えています。横尾さんのお父様もこうした繊維関係のお仕事をなさっていました。



 市内を流れる疎水。加古川から引いた疎水がこうして町中を流れていて、美しい風景を作っています。



 旧来住家邸宅。この地の旧家を保存した施設で、現在ではカフェやギャラリーなどに使われています。



 こんな感じで市内の見所は結構多くて、本当にゆったり見ようと思ったら、一泊くらいした方が良いのかもしれません。残念ながら私は日帰りだったのでこのくらいしか回れなかったのですが、市内にはまだまだ見所が多いようです。この11月にオープンする横尾忠則現代美術館に来られる遠方からの方は、是非この西脇で一泊されることをお薦めします。本当に綺麗な街です。