京都芸術大学卒展:高木智子さん

 京都芸大卒展、美術館の方から。高木智子さん、2年くらい前から面白いなーと思ってみてたのですが、かなり凄い所まで来たなあと。ステイニングといって、薄めた油絵の具を画布に染み込ませる技法と厚塗りの共存。これ、たぶんウルトラマンのビニール人形を庭に置いてスケッチしたものだと思うんだけど、その部分が凄まじい厚塗りで、もはや何を描いてるのだかよくわからない。表現への衝動が表現を疎外するという逆説。



 厚塗り部分とステイニング、その継ぎ目のあたりが非常に魅力的。写真だとあまり魅力が伝わらないが、具象絵画の見知らぬ可能性を示されたような驚きがある。抽象と具象の間には無限の可能性があって、これもあれも見落としてますよね、と指摘されているような感じ。あと、面白いのが「2」という単位にこだわっているところ。ウルトラマン人形もよく見ると二つある。2年前には高木さんは、おせち料理の左右対称性に注目した絵画作品を描いていらした。この「2」へのこだわりがどこから来るのか、どこに着地するのか興味を覚えている。


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