京都芸術大学卒展:新平誠洙さん

 京芸、学内展まだまだ続き。新平誠洙さん、京都芸大油画院2回。この人は非常に多彩な作風を持っていて、それを全部出すという荒技に出た。確認するの忘れたけど、なんかもふもふの支持体に描いたもの。遠くから見ると人の顔、近くに寄るともうモフモフしか見えない。どうやって描いたのかよくわからない。これだけでもシリーズ展開できそうなネタなのだけれど、全然本人は頓着しない。



 これも新平誠洙さん。マスキングテープを貼って、二つの絵を重ねて描いた作品。二通りの絵が重なっている。 新平さんは以前には3枚の絵を多重露光のように重ねて描いた作品を出してたけど、今回はそのバリエーションか(違いがあり過ぎてシリーズには括れないが)。具象でありながら「窓としての絵画」から離れて行こうとしてる感じがする。



 で、これも新平誠洙さん。全部作風が違う。基本的にはフォトリアリズムだけど、スタイルが全部違う。ある意味、リヒターに近いかも。スタイルを持たないというスタイル。もはや絵画を展示しているというよりも「絵画とは何か」という問いそのものが展示されているように感じる。一種の「メタ絵画」と言えるかもしれない。



 これも新平さん。ちょっとジュリアン・オピーみたいだけど、複雑な構造がありそう。解読は私には無理でした。そんなわけで結局全部バラバラ、しかも完成度は極めて高い。なんでもっと騒がれないのかな、と思います。3月には岸本光大さん(こちらもまた問題作)との二人展もあるそうなので、かなり期待しています。


新平誠洙/岸本光大「Surge/リブログ」CASO
2014年3月11日(火)〜3月30日(日)
http://www.caso-gallery.jp/exhibition/2014/140311niihira-kishimoto.html