塩田千春さん仕込み

私が以前から注目している美術作家に、塩田千春さんという方がいます。最初に見たのは「愉しき家」という名古屋でのグループ展でしたが、その後私は竹橋で彼女のビデオインスタレーションを見て、大きな衝撃を受けます。《Bathroom》と題されたこの作品は、泥水の張られた浴槽につかり、泥で体を洗うという、衝撃的なものでした。その塩田さんの展覧会が来月から始まります。国立国際美術館での大規模な個展です。
http://www.chiharu-shiota.com/jp/


その後、私は横浜で彼女の個展を見ましたが、このときは私は本当に叫び声を上げました。普段はコンサートに使われる県民ホールで、ピアノが黒々と炎を吹き上げて燃えている、巨大なインスタレーションでした。もう3〜4年も見続けて、けれどもそのたびにグループ展で、なんとか一度この人を正面から論じたいと思ううちに日が経ち、いよいよ大阪で最大規模の個展ということになって、いてもたってもいられなくなり、明日から設営に参加することにしました。日当なんと1000円で一週間。まぁボランティアです。


今回は2000足もの靴、それも履き古したものを、赤い糸で縫い閉じていくというものです。全体がどういうものになるのかは、会場に入らないとわかりませんが、2000人分の恨みつらみや怨念、無念をたっぷり吸った靴が、どんなかたちで縫い閉じられていくのか、楽しみでもあり恐ろしくもあります。
http://www.nmao.go.jp/japanese/b2popup/shiota/shiota.html


これを筆頭に、月末までは各種展覧会レセプションや会合、広島出張と、引きこもりがちな私にしては、無茶なスケジュールが続きます。
体いわさんように頑張りますので、応援よろしくお願いします。展覧会にも是非来てくださいね。私も制作に参加してるので……。


「塩田千春 精神の呼吸」国立国際美術館
7月1日〜9月15日(月・祝)まで●月曜休館、ただし9月15日(月・祝)は開館
問い合わせ:06-6447-4680