京都精華大学の卒展

 京都精華大の卒展行ってきました。いわゆる幻想絵画というか、シュルレアリスティックなのにピンと来るのが多かったような気がします。たとえば版画の原田咲さんの作品。ちょっとデルヴォーっぽいのですが、何ともいえない味があって好きです。ポートフォリオも拝見しましたが、非常に安定してますね(*上の写真、非常灯の映り込みが入ってしまった。写真下手すぎてすいません)。


========================================


 あるいは洋画の松原慎吾さんの作品。ちょっとベクシンスキーっぽいかな。昔のプログレのレコードジャケットっぽいというか。かなり上手い人じゃないかなと思いました。ポートフォリオがなかったので見たのはこれだけ。もう少し見てみたかった気がします。


========================================


 それと「?」と思ったのは、洋画の佐谷夢子さん。旧日本軍の制服を着た人物が、夜の街で空に登ろうとしている図。どういう意味? と思ってポートフォリオを見たら、出るわ出るわ。東京裁判の被告たちの肖像画がずらり。一体何考えてるのか気になります。そういえば京都精華大って、「萌える戦争画」の後藤靖香さんを出した学校ですよね。何かそういう伝統があるのかしらん。ともあれ気になる佐谷夢子さんです。


========================================


 最後は洋画の鶴井かな子さん。この人はすごく気に入りました。ある意味、現代のブリューゲルというか、ものすごくリアルな情景なんだけど何か寓話的というか、いろんなことを考えさせられる絵です。群像劇だしね。鶴井さんのタッチはいっけん稚拙に見えて絶妙。描かれている人物に悪意を抱いているようにも好意を寄せているようにも見える。年齢ごとの描きわけも巧み。ストレートな具象でまだまだこんな可能性があるんだと素朴に感動。



 ポートフォリオも拝見しましたが、かなり安定した腕前のよう。今後がとても楽しみです。